高安の教訓、役力士5連敗の窮地で感じた“手応え”

 大関2場所目の高安(27=田子ノ浦)が“負の連鎖”を止めた。3横綱が不在の場所で、三役以上の役力士が立て続けに5連敗する中、結び前の一番で平幕栃ノ心を危なげなく押し出した。初日が黒星だった新大関の先場所とは違う姿を見せた。

 直前までの取組に目をやれば役力士が誰一人、勝てていない。昭和以降初めて3横綱が初日から休場した今場所。さらに上位陣が総崩れとなれば目も当てられない。そんな窮地を救ったのは高安だった。負の連鎖を断ち切る白星。「初日に勝つことで気分良く取れます」と静かに息をついた。

 大関2場所目の初日。さすがに慣れたかと思いきや「今日の方が緊張しました」。新大関だった名古屋場所初日はいきなり北勝富士に敗れた。理由は緊張感のなさ。「初日だけ気が抜けた。ポカーンとした」。バタバタした中で迎えた本場所に集中し切れなかった。だから“緊張”を感じた今回は、手応えがあった。得意の左四つにはこだわらず、反対の右を差した瞬間、かいなを返して前に出る。栃ノ心を危なげなく退けて「前に出る意識が良かったですね。体がしっかり反応した」とうなずいた。

 2桁にすら届かなかった先場所。「稽古が足りなかった」と反省し、夏巡業では土俵に立ち続けた。新大関最初の巡業とあって先々で誘いは多く、日付が変わるまでもてなされても、翌朝は稽古。「休んでいる場合じゃない」と誰よりも相撲を取った。「量は多くないが、質は悪くない」。8キロ増えた体重は「そこまで絞れなかった」というが、新しい黒の締め込みもあって引き締まって見えた。

 先場所までで年間43勝。昨年秋場所から1年間では60勝と、いずれも勝利数で首位に立つ。誰よりも白星を挙げている大関は「勝つことが僕の務めだし、勝つだけでなく内容も見られる」。荒れる秋の中心に、堂々と居座る。【今村健人】

nikkansports.com:2017-9-11 09:09:55

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